南と東の隣地には建物が迫り、採光や通風の面では厳しい条件をもつ敷地。けれど、そこから眺める桜並木の景色は、それを補って余りあるほどの魅力を放っていました。
明るさや通風などの課題はあるものの、それを差し引いても、この桜の眺めを中心に考えたい。それが、この土地に立ったときの最初の印象です。
敷地には高低差があり、費用をかけて道路の高さに合わせることもできましたが、桜を楽しむためには、その高低差こそが視線を守り、落ち着いた暮らしをつくると考え、そのまま活かすことに。
一見マイナスに思える条件も、すべては桜を中心に考えることで、プラスの要素へと変わっていきました。
住まい手はノマドのようにあっちへ行ったり、こっちへ来たり。家の中のさまざまなお花見スポットから、思い思いに桜を楽しみます。
サクラのためのマドと、サクラを求めるノマドのような暮らし。その発想から、この住まいを 「サクラ・ノマド」 と名付けました。
田原の家(タハラノイエ) / サクラ・ノマド
敷地面積:59坪
延床面積:33坪
設計期間:2016/12~2017/09
施工期間:2017/10~2018/04
設計/施工:空間建築-傳











